Hausdorff空間のレトラクト

次の命題が、一瞬証明できなかったのでメモ。

命題

f,g:X\to Yは連続で、YはHausdorffとする。
この時、次は閉
E=\{x\in X\,:\,f(x)=g(x)\}

(証明)
任意のx\in X\setminus Eを取る。
YはHausdorffでf(x)\neq g(x)なので、f(x),g(x)それぞれの近傍U,V\subset Yで、互いに素なものが存在する。
この時、
W=f^{-1}(U)\cap g^{-1}(V)
xの近傍で、また、その定義より、
f(W)\cap g(W)=U\cap V=\emptyset
従って、W\cap E=\emptyset
以上より、X\setminus Eは開で、従って、Eは閉
(証明終)

Y=\mathbb{R}など、YがHausdorffな位相線形空間の時には、f-gが連続だから〜、なんていう風に証明されるけれども、実は代数構造はいらないんだよ、という命題でした。

この程度、知らなくてもその場で瞬時に証明できなければダメだなぁ。
もっとも、直接に証明できなかった問題は次のもの。

A\subset XXのレトラクトならば、Aは閉

(証明)
\iota:A\to Xを包含写像r:X\to Aをレトラクションとする。
定義から、
A=\{x\in X\,:\,\iota\circ r(x)=x\}
であることに注意すると、主張は上の命題より明らか。
(証明終)

なんだか、上で証明したことって、かなり自明だなぁ。
本当に、数分間悩んだ自分がバカらしい。