圏論

圏論から逃げない2. 集合論的な像と普遍性

前回は、「部分集合」の概念を一般の圏に拡張した。 今回と次回では、「像」の一般化を試みる。 今回は特に、集合論的に定義された「像」が、圏 においてどのような圏論的性質を持つのかを調べる。 での像と、その universal property 過去にこんな記事を書…

圏論から逃げない1. 部分, 商

今まで漠然と知っていた、圏論における集合論のアナロジーをまとめる。 以下、を一般の圏とする。 部分集合と商集合 部分集合や商集合のアナロジーを考えるためには、包含写像や商写像の一般化を考えれば良い。 定義 を の subobject とする。 の subobject …

Cartesian Square メモ1 一般論

散々cocartesian squareについて議論してきたけれど、層の逆像を定義する時に、ついにファイバー積が必要になった。 そこで、cartesian squareについて色々勉強したのだけれど、とかでのcartesian squareには、cocaretesian squareと共通する性質が色々ある…

Cocartesian Square 補遺

fibered sumって、日本語でファイバー和と直訳するそうな。 知らなかった。 じゃあ、cocartesian squreは余デカルト方図式とでも訳すのかな?cocartesian squareの性質については、Fibered SumとCocartesian Squareと単射、全射 - junologyの日記で大体示し…

Fibered SumとCocartesian Squareと単射、全射

前々回で、にはファイバー和が存在するという事実を紹介し、前回はそれを具体的に構成した。 具体的に構成したことによって、僕が今まで納得できなかった命題がちゃんと証明できるようになったので、それを紹介する。上に前回定義した作用素を今回も用いる。…

Fibered Sumの構成における「同値関係」続き

昨日の続き。 昨日は、「生成」される同値関係なんて概念でお茶を濁したけれど、実はきちんと同値関係は確定する、というお話。 今回は完全に集合論の枠内に収まる...はず。 あるいは、僕が圏論だと思って喜んでいても、実は集合論の手の平の上で踊っている…

Fibered Sumの構成における「同値関係」

代数トポロジーをやってると、adjunction spaceとかmapping torusなんてものにおめにかかるけれど、実はこれらはともに、圏論の概念であるところのfibered sumの特別な場合であるといえる。僕が過去に読んだ[Mac]*1とか[Str]*2 とかには、圏ではfibered sum…

極限の性質が構成によるのは良くないと思う

圏論においては、帰納極限(等の普遍性を要求するオブジェクト)は存在性が大事なんであって、その性質を見るのに、そのオブジェクトの構成方法が露骨に現れるのは良くないと思うんだ。 そんなことばかり考えていた結果、昨日に続き馬鹿なことを考えたのでメ…

圏論の言葉でしゃべりたい

集中講義行き損ねた。 かといって、勉強が進んだ訳ではないという。昨日次のアイデアを思いついた。 命題 をの写像の族とする。 の部分集合について、であるための必要十分条件は、包含写像と任意の写像に対し、次が成立すること。 (証明:必要性) を仮定…

帰納極限メモ

有向集合は小圏とみなせる 帰納極限は有向集合からの関手に対して定義される 有向集合からの関手全体は、natural transformationを射として圏をなすか?→Homが集合になるかが問題 もし圏をなすならば、帰納極限とは、その圏からの関手で、普遍性を満すものの…

位相空間のequalizer

「こひーれんとトポロジー」で悩んでたところを思いついたので、忘れないようにメモ 連続写像の族に対して、にから位相を誘導して、自然な射影のへの制限をとすると、がのequalizer。実際、をで定義すれば、の定義によりこれはwell-definedで(本当はこのはe…